今回は、椎名林檎さんの名曲「丸の内サディスティック」の歌詞にも登場する“ベンジー”こと浅井健一さんをご紹介します。
浅井健一さんは、1990年代に絶大な人気を誇った伝説のスリーピースバンド「BLANKEY JET CITY(ブランキー・ジェット・シティ)」のギター&ボーカルとして知られています。
現在は、ブランキー解散後に始動させたバンド「Sherbets」「JUDE」、さらに「浅井健一ソロ」「Pontiacs」「インターチェンジキルズ」など多岐にわたる音楽活動を展開中。加えて、絵画や詩集の発表、さらにはカレー店の運営など、表現のフィールドを広げています。
2024年3月13日には、AJICOとして「ラヴの原型」をリリースし、現在はライブツアーも開催中です。
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ブランキー時代には『Mステ』や『HEY!HEY!HEY!』などのテレビ番組にも出演し、広く知られる存在に。千原ジュニアさん、バイきんぐの小峠さん、フットボールアワーの後藤さんといった芸人にもファンを公言する方が多く、嵐のメンバーにもファンがいるなど、その影響力は今なお健在です。
また、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTのチバユウスケさんが赤いタンバリンをリハーサルで演奏する姿や、椎名林檎さんとのコラボ・オマージュなど、日本の音楽シーンにおいて多大な影響を与えた存在です。
本記事では、浅井健一さんのバンド結成前から、ブランキー時代、そして現在に至るまでの活動や逸話を詳しくご紹介していきます。
ちなみに「ベンジー」という愛称は、映画『グローイング・アップ』に登場する少年“ベンジー”に似ていることから、ベーシストの照井利幸さんが名付けたそうです。
ベンジー関連は下記にも記事を作成しています。



浅井健一さんは90年代を代表するロックバンドBLANKEY JET CITYのギターヴォーカル
1990年代、日本のガレージロックシーンを代表するバンドといえば、「BLANKEY JET CITY(ブランキー・ジェット・シティ)」と「THEE MICHELLE GUN ELEPHANT(ミッシェル・ガン・エレファント)」の二大巨頭でしょう。
そのブランキーのギターヴォーカルを務めていたのが、浅井健一さん。まさに日本のロックシーンにおける伝説的な存在です。
当時の音楽シーンは、X JAPAN、LUNA SEA、L’ArcenCiel、GLAYといったビジュアル系バンドが全盛期を迎えており、化粧や衣装など“様式美”を伴ったバンドが注目されていました。
そんな中、ブランキーやミッシェルは、生々しいまでにシンプルな演奏スタイルで対極を走り、洋楽ファンからも高く評価されていた稀有な存在でした。
BLANKEY JET CITYのメンバー ギターボーカルの浅井健一、ベースの照井利幸、ドラムの中村達也
ブランキーは、ギターヴォーカルの浅井健一さん、ベースの照井利幸さん、ドラムの中村達也さんのスリーピース編成。3人とも名古屋出身で、同郷の仲間です。
浅井さんと照井さんがバンドを結成後、中村さんが合流して現在のブランキーとなりました。
浅井さんと照井さんは名古屋のディスコで出会い、浅井さんと中村さんは中村さんのライブを観に行った際に出会ったといわれています。
ちなみに、ブランキー結成当初、中村さんはなぜかマネージャー的な役割も担っていたとのこと。
中村達也さんは高校時代から人気があり、SHOCKERS、OXYDOLL、the 原爆オナニーズ、THE STAR CLUB、THE STALIN、MASTURBATION、NICKEY & THE WARRIORSなど、さまざまなバンドでドラマーとして活躍していました。
浅井さんは、中村さんの活躍を見て「自分も音楽で生きていこう」と決意したそうで、このことは自身のラジオ『ナイトチョコレート』でも語られています。
グレッチは武器ではない:椎名林檎の歌詞の真相
椎名林檎さんの「丸の内サディスティック」に登場する「ベンジー、グレッチで殴って」という歌詞から、「グレッチ=武器」と勘違いする方もいるかもしれませんが、グレッチはギターのブランド名です。
浅井健一さんが愛用しているのは、**セミアコースティックタイプの“グレッチ”**というギターで、ストレイ・キャッツのブライアン・セッツァーも愛用していることで知られる名器です。
ベンジーはもともとブライアン・セッツァーのファンであり、また、ネオロカビリーやウッドベースのサウンドに合うギターとして、グレッチを選んだとも語っています。
彼が特に使っているのは「テネシアン(Tennessean)」というモデルで、初めて購入したのは「ホワイトファルコン」だったそうですが、中古で40万円もしながら弾きにくく、後にテネシアンへ買い替えたとのこと。
現在では、“ベンジーモデル”のグレッチも正式に発売されています。
「ディズニーランドへ」の誕生秘話
ブランキーの楽曲「ディズニーランドへ」は、その独特な歌詞と雰囲気で人気の高い一曲。
爆笑問題と共演したラジオでも語っていましたが、浅井さんは「当時の正直な気持ちをそのまま歌詞にした」と明かしています。
「周囲のバンドが“愛”ばかりを歌う中で、これが自分にとって正直な表現だった」とも。
この楽曲については「アル中の先輩がしつこくディズニーランドに誘ってきたことがきっかけだった」という逸話もあり、中村達也さんは「ベンジーが“すっげぇかっこいい曲できた!”と持ってきたのがこの曲だった」と語っています。
この楽曲はセカンドアルバム『Bang!』に収録されています。
ブランキーがデビューするキッカケは 三宅裕司のいかすバンド天国(イカ天)
ブランキーがデビューするきっかけとなったのは、伝説の音楽番組『三宅裕司のいかすバンド天国(イカ天)』。
なんと彼らは5週連続勝ち抜きを果たし、一躍注目を集めることとなりました。
この番組に出演しようと提案したのは中村達也さんで、「浅井健一を世に出さねばならない」との想いからだったといいます。
イカ天で披露された楽曲は以下の通り:
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1週目:CAT WAS DEAD
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2週目:MOTHER
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3週目:不良少年のうた
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4週目:僕の心を取り戻すために
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5週目:狂った朝日
これらの曲は、1stアルバム『Red Guitar And The Truth』に収録されていますが、音質などに満足していなかったようで、後にベストアルバム『Six』で再録音されています。
当時のプロデューサーは、セックス・ピストルズやザ・クラッシュを手掛けた**ジェレミー・グリーン(JEREMY GREEN)**でしたが、ブランキーとはあまり相性が良くなかったようです。
BLANKEY JET CITY 解散の理由は?
解散の経緯や再結成の可能性については、別記事で詳しくまとめています。興味のある方は、ぜひそちらもご覧ください。

浅井健一さんがブランキー後に活動したバンドについて
浅井健一さんがブランキーを解散したのは2000年、解散から20年以上たちますがずーっと精力的に活動されています。
Sherbets シャーベッツ
ブランキー以降一番早く始まった活動がシャーベッツです。
元々ブランキー活動中にシャーベットとしてソロ活動をした流れを組んだバンドです。
当時ブランキー以外に表現したかった音楽、年を経たからこそ表現できる音楽性など浅井健一さんの天才性を知るには素晴らしいバンドです。

AJICO アジコ
日本最高峰の女性ボーカルUA(ウーア)とのバンド。
当時一年ほど活動して活動休止、2022年に奇跡的に再活動をしました。
詳しくは下記の記事に書いています。

JUDE ユダ
浅井健一さんがブランキー以降、スリーピースのギターボーカルに復活したバンド。
本人がインタビューにて最高に楽しかったバンドと答えています。詳しくは下記にて

PONTIACS
浅井健一さんが久しぶりにベース照井利幸さんと活動したバンドです。
一緒にサーフィンをする中で久しぶりにバンドで音を出すとどう変わってくるか?と思ったようです。
指弾きを多様するようになって渋くなった照井利幸さん
浅井健一さんのソロ、名曲
シャーベッツやユダの活動を経てソロの浅井健一さんの活動を紹介します。
アニメのブリーチの主題歌になった「Mad Surfer」
ギターリフが印象的なナンバー。
21st century Boyのような雰囲気の楽曲。
危険すぎる
ファーストシングルは危険すぎるというベンジーが描く映画の中にいるような気持ちにさせる独特の歌詞です。
こちらは椎名林檎さんがコーラスとして参加されています。
Way
カラオケで歌えるぐらいサビのメロディもたっているので、ぜひサビまで聴いてほしいナンバー。
FIXER
高速ドラムから始まる楽曲。
スピード感のある楽曲で大好きです。
クローズゼロでも使われた「リトルリンダ」
こちらはyoutubeに楽曲がなかったので、ストリーミングで聴いてみてください。
アルバムはRod Snake Shock Serviceに収録されています。
Grape Juice II
破滅的にも感じる雰囲気とサビのGuitarとメロディの絡みがめちゃくちゃかっこいいロックナンバー
一番ぐらいに好きなのですが、youtubeになかったのでストリーミングで聴いてください。
50歳をすぎてもなお精力的に活動される浅井健一さんは天才だと思います。
高い声が出なくなっている、シャウトが出にくくなっていると言われているが
ベンジーはラジオでも言っていましたが、最近は以前のような高い声が出ないと言っています。
その影響もあってかライブで演奏する選曲や、新しく作られる楽曲にも影響が出ています。
無理して高い声を出すのではなく、無理して激しい曲をやるのでなく、今の自分が表現したい今の自分にあった音楽表現をしていると感じます。
ベンジーは天然と言われている 自分の気持ちに忠実に生きている
ベンジーは天然で自分の気持ちに正直に生きているところが、すごくかっこいいと思います。
かっこいいものはかっこいい。
美しいものは美しい。
嫌いなものは嫌いと。
衝撃を与える歌詞をかけたのもこの正直さと芯の強さかなと思います。
浅井健一さんの名言、逸話など
浅井健一さんはとても正直な人なので数々の名言や逸話などがあるので紹介していきます。
浅井健一さん名言 何かを好きになる”ってことが世の中の全部を動かしとると思うんだわ。
こちらはブランキーを追った貴重な本 ワイルドウィンターでの一節。
人を好きになると自分の限度なんか考えずに頑張っちゃうもんね。
結局、世の中を動かしとんのはそれだと思うんだわ。
人を好きになったりだとか、音楽を好きになったりだとか、森を好きになったりだとか、
何かを好きになるってことが世の中の全部をを動かしているんだと思うんだわ。
さすが、ベンジー。本当に歩く芸術だと思っちゃいます。
ちなみにワイルドウィンターはベンジーのみならず、中村達也さんや照井利幸さんの天然エピソードもあってめっちゃおもしろいのでぜひ。
ベンジーはダジャレ好き
自他とも認めるダジャレ好きなのが以外ですが、ラジオでも言っていました。
俺の大事なバインダーがどっか行っちゃった。どうすればバインダー
ソビエトには山がソビエトル
宴会ばっかやってえーんかい
もちろん!アイロン!夕張メロン!
言葉遊びがすきなんですかね。
お笑いではなだぎ武のビバリーヒルズのディランのモノマネが好きだとのことです。
浅井健一さんが対談インタビューしたすごい著名人
ベンジーはけっこうなメンツとインタビューをしてきましたのでそちらを紹介します。
シザーハンズ、チャーリーとチョコレート工場などの映画監督ティム・バートン
世界のティム・バートンと話すなんて、なんかすごいですよね~
90年代のオシャレ映画バッファロー66の映画監督 ヴィンセントギャロ
オシャレ映画ヴィンセントギャロともインタビューをしていました。
お互いに気に入っていて、ベンジーはヴィンセントギャロの映画のタイトル「ブラウンバニー」をJUDEのアルバムの曲名にしていました。
伝説的なギターリスト「サンタナ」が日本で有名なボーカルを探した結果 浅井健一さんが呼ばれた
サンタナさんがカバーアルバムを出す際に日本で有名な男性ボーカルを探していて、ベンジーの声を気に入りボーカリストとして採用しています。
二人がコラボした曲はこちらZZ TOP の名曲 LA GRANGEです。
椎名林檎さんは浅井健一さんのベンジーのファン
椎名林檎さんはベンジーのファンだと公認しています。
※椎名林檎さんは1978生まれでベンジーこと浅井健一さんは1964年生まれ
フェスで共演した際に浅井健一さんと仲良く喋る椎名林檎さんが楽しそうでした。
椎名林檎さんはベンジーのことを「歩く芸術」とインタビューで答えていました。
林檎さんいわく「曲に日本語をのせるとかっこ悪いと思っていたのにこの人の歌を聴いて日本語でもこんなにかっこいいものが作れるんだと衝撃を受けた」とのことです。
浅井健一さんの「危険すぎる」椎名林檎さんの「罪と罰」でコラボ
この二人は仲がよいためコラボもしています。
有名なのは椎名林檎さんのシングル「罪と罰」での共演、ギターと歯笛を担当したのがベンジーです。
また浅井健一さんのソロで1stシングル「危険すぎる」では椎名林檎さんがコーラスとしてコラボをしています。
丸の内サディスティックの歌詞の意味
丸の内サディスティックのベンジーが出ている箇所の歌詞の意味は、「グレッチで殴って」というのはまずベンジーが使っているギターがグレッチのテネシアンというものでしたので、それでグレッチと言っているのと。
そして殴っては直接的にバールのようにグレッチで殴ってという訳ではなく、グレッチで弾くギターで衝撃を頂戴、ギターで私の心をメチャクチャにしてという意味かと思います。
またそしたらベンジーが肺にうつってトリップは、ラットというエフェクターを使って歌っていたらベンジーが肺に乗り移ったようになってトリップ(ハイになる、興奮)するという意味かと推測です。
「そしたらベンジーあたしをグレッチで殴って」「そしたらベンジーが肺にうつってトリップ」この歌詞のベンジーって誰よ?暴力的と思われた方そうではありません。
丸の内サディスティックではピザ屋の彼女になってみたいというのは、ブランキーの「ピンクの若いブタ」でピザ屋の彼女が登場するからです。
浅井健一さんのまとめ
日本が誇るギターボーカリスト浅井健一さんの特集でしたがいかがでしたでしょうか?
58歳を超えた今も精力的に活動するベンジー。
まだまだ活躍してほしいと思っています。




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