このページでは、Radiohead(レディオヘッド)、略して“レディへ”のライブやアルバムについて詳しく紹介していきます。
よく巷では「何がいいのかわからない……」「曲が暗くて嫌い」といった声を耳にしますが、実はレディオヘッドは世界的に見ても最高峰のロックバンドなんです。
その理由は――
つまり、海外では圧倒的な人気と評価を誇るバンドなのです。
※日本では「レディへは退屈」「暗い」「陰キャが聴く音楽」と揶揄されることもありますが……それはおそらく、後期の作品だけを聴いて判断してしまった、あまり耳が肥えていないリスナーの意見なのかもしれません。
レディオヘッドの最大の特徴は、アルバムごとに演奏スタイルや曲調が大胆に変化する点です。
もしレディオヘッドの音楽にピンとこなかった経験があるとすれば、それはたまたま後期の難解な楽曲ばかりを聴いてしまったからかもしれません。
私も感じるのですが、8枚目のオリジナルアルバム以降は確かに音が暗く、何がいいのか分かりづらいという意見にも一理あると思います。
メンバー構成は、ギターボーカル・ピアノ・キーボード担当のトム・ヨーク(Thomas Edward Yorke)、ギターのジョニー・グリーンウッド、その兄でベースのコリン・グリーンウッド、ギターとコーラスのエド・オブライエン、そしてドラムス・パーカッションのフィル・セルウェイの5人。
全員が同じ学校の友人同士という関係でバンドを結成し、大学時代から現在まで変わらず同じメンバーで活動しているというのも驚きです。
日本にもたびたび来日しており、サマーソニックやフジロックなどの大型フェスでその存在感を示してきました。
そしてなんと、トム・ヨークが2024年に再び来日ライブを行うことも発表されています!
今回は、そんなレディオヘッド(レディへ)の名盤・名曲を中心に、エピソードも交えながらその魅力をじっくりと紹介していきます。
レディオヘッドの逸話・エピソード集
ここでは、レディオヘッドにまつわる知られざる逸話や興味深いエピソードを紹介していきます。
レディオヘッドが数々の影響を与えた日本のミュージシャン
レディオヘッドの音楽が素晴らしいと公言している日本のミュージシャンは数多くいます。ザ・イエローモンキーの吉井和哉さん、椎名林檎さん、元ブランキージェットシティの浅井健一さん、くるりの岸田繁さんなど、名だたるアーティストたちがその影響を受けてきました。
たとえば、ブランキージェットシティがアルバム『ロメオ』で打ち込みを取り入れた背景には、レディオヘッドの影響があったと言われています。ザ・イエローモンキーのアルバム『Sick』については、吉井和哉さんが「可能な限り暗く作った」と語っているにも関わらず、レディオヘッドの『OK Computer』を聴いて「これは暗すぎる、これで売れるのか?」と驚いたというエピソードもあるほどです。
こうした事例からも、レディオヘッドはニルヴァーナ以降、日本のロックシーンにもっとも影響を与えたバンドのひとつであると言っても過言ではないでしょう。
レディオヘッドが行った数々の実験的なこと
購入者が値段を決めるという前代未聞の販売手法 ―『In Rainbows』
7枚目のアルバム『In Rainbows』のリリース時、レディオヘッドは音楽業界に革命を起こすような試みを実行しました。それは、購入者自身がアルバムの値段を自由に決めて支払うというものです。
当時は、Apple MusicやYouTube Musicなどのストリーミングサービスが存在せず、ファイル共有ソフトによる違法ダウンロードが横行していた時代。その中で、彼らは価格設定を完全にリスナーに委ねたのです。1ドルでも、300ドルでも、1万ドルでも構わないというスタンス。
結果的には、ほとんどが安価な価格だったとされていますが、それでも「聴きたい人に届けたい」という姿勢は、他の多くのミュージシャンと一線を画していました。
ギターロックからエレクトロニカへ ―衝撃の音楽的変化
『OK Computer』までのレディオヘッドは、トリプルギター+ベース+ドラムという伝統的なバンド編成でのギターロックスタイルでした。
ところが、次作『Kid A』では一転して、リズムマシンやシンセサイザー、サンプラーなどを本格導入。ロックバンドでありながらバンド形態を脱し、実験的かつ電子音楽的なアプローチを大胆に取り入れました。この変貌には当時のファンも驚かされ、「これが本当にレディオヘッドなのか?」という声が多く上がりました。
実はメンバー全員が超・高学歴
レディオヘッドのメンバーは、音楽性だけでなく学歴面でも高水準です。
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トム・ヨーク:エクセター大学(名門ラッセルグループ所属)
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コリン・グリーンウッド:ケンブリッジ大学
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エド・オブライエン:マンチェスター大学
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フィル・セルウェイ:リバプール大学
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ジョニー・グリーンウッド:オックスフォード大学
メンバー全員が高学歴であることも、彼らの音楽的な深みと知的なアプローチに繋がっているのかもしれません。
「Creep」は盗作だった? そして訴訟も?
実は「Creep」は、The Holliesの楽曲「The Air That I Breathe」の一部とメロディが酷似しているとされ、レディオヘッド側が訴えられ、最終的に和解に至ったという経緯があります。
確かに曲を聞くとAメロとサビのメロディが似てますね…Cメロにあたるメロディは明るくて違うと思いますが
逆にCreepをパクリだと訴えたThe Hollies
逆にクリープがパクリだと訴えたのがThe Holliesの「The Air That I Breathe」です。
一方で、レディオヘッド自身もラナ・デル・レイの「Get Free」に対して「Creepの盗作では?」と主張し、ラナ側は「訴えられた」と発言するなど、逆の立場になるという珍しい事態もありました。
とはいえ、両者の楽曲を聞き比べると一部が似ている程度で、大部分は異なる印象も受けるため、判断は人それぞれかもしれません。
村上春樹作品とレディオヘッドの接点
意外な繋がりとして、作家・村上春樹さんとの関係性も知られています。
レディオヘッドのアルバム『Kid A』は、小説『ねじまき鳥クロニクル』に影響を受けたとされており、また『Hail To The Thief』に関しても村上作品からのインスピレーションがあったと語られています。
逆に、『ねじまき鳥クロニクル』の作中に『Kid A』が登場するなど、双方向的な影響関係も見られます。
レディオヘッドのメンバーの死亡事故?
「レディオヘッドのメンバーが事故で死亡した」との噂がネットで出回ったこともありましたが、これは誤解です。
実際に亡くなられたのは、メンバーではなく、ライブのステージ設営中に照明装置が崩落し、ドラム・テクニシャンのスコット・ジョンソン氏が亡くなるという痛ましい事故でした。
この件により、ライブ会場の安全性や運営体制に関する議論も巻き起こりました。
レディオヘッドの代表曲や有名曲をアルバムごとに紹介
レディオヘッドはアルバム毎にスタイルが変わるので、アルバムを紹介すると全体のイメージがわかりやすいと思います。
1枚目のアルバム パブロ・ハニー まだシンプルな曲調 オススメ度★★
このデビューアルバムは私もあとで聴き直したりバンドでコピーをしたのですが、荒削りで洗練されていないという印象もあります。
でもこのアルバムでしかできなかったであろう名曲もあるので紹介をします。
デビューから売れた名曲「Creep」 ポップ好きはこの曲から
やっぱり90年代のロックの名曲といえば、Creep(クリープ)ですよね。
このCreepでレディオヘッドは一気にブレークしましたが、本人たちはこの路線で受け入れられるのを嫌ってライブではほぼ演奏してくれない楽曲です。
リードギターのジョニーもこの楽曲があまり好きではなく、途中から楽曲をぶち壊そうとジョニーのギターの「ガガッ!」というノイズが入ります。
逆にそこが印象的だとして名曲として受け入れられていますが…w
Creepはライブをした際は、サビで大合唱が起こるほどメロディアスです。
シンプルな楽曲 Rip cord
シンプルで疾走感のあるナンバーRip cord この曲もシンプルでいいですね。
2枚目のギターロックアルバム 一番聴きやすく曲調が激しい アルバム「ザ・ベンズ」(the Bends) おすすめ度★★★★★
2枚目のアルバムはギターロックなアルバムです。
1枚目は未成熟だと感じた実験的な部分も、2枚目ではうまく形としてまとまっており、3本のギターが絡み合ったロック的に完成度の高いアルバムです。
また曲調も激しい曲が多いためそういうストレートな曲調が好きな人には一番オススメです。
ザ・ベンズはポップかつロック、名曲が多いアルバムです。
アコースティックギターのイントロからファルセットのサビが名曲のHigh and Dry
このポップな曲を聴いてほしい…!レディオヘッドってこんな爽やか?な曲もあるんですよ!
攻撃的なトリプルギターがロックでかっこいい「Just」
私はこの曲が大好きでギターを弾きまくってましたね~
イントロから怒涛の攻めのギター、曲の展開も素敵ですよね。
アコースティックな名曲Fake plastic trees
レディオヘッドで一番好きな曲として挙げられるフェイクプラスティックトゥリーは、アコースティックなギターにポップなメロディです。
3枚目の革新的なロックアルバムの名盤 OK computer オススメ度 ★★★★★
私が個人的に一番ハマったアルバムはこのOK COMPUTER(オーケーコンピューター)です。
世間でも名盤と評価が高いこのアルバムですが、前作からのトリプルギターの持ち味がいかんなく発揮されてます。
しかし、曲の構成がシンプルから複雑になってきているのと雰囲気が暗い楽曲が増えました。
聴きやすい曲が多くてロックの名盤であることは間違いないです。
曲構成がクイーンのボヘミアン・ラプソディと例えが出されるほど複雑な展開がある「Paranoid Android」
この楽曲は曲展開が目まぐるしく変わるんですよね~。
当時クイーンのボヘミアン・ラプソディを意識したか?と言われていたインタビューがありました。
PVはアニメで残虐なのでそちらも見てほしいです。
パラノイドアンドロイドは静と動が入り乱れる名ロック曲です!
静かな名曲「No Surprises」
PVではトム・ヨークが入った容器の中に水がどんどん入っていき溺れるような衝撃的の曲。
歌いやすくて私が行ったサマソニのライブで合唱したことを思い出します。
静かなアコースティックから最後に劇的に盛り上がる「exit music」
ロミオとジュリエットのサントラにも入った曲です。
前半はずっと静かな曲調ですが、後半にドラマティックに盛り上げてくれます。
映画のエンドロールで映画の気持ちを最高潮に盛り上げてくれました。
4枚目のアルバム「KID A」からロックから打ち込みにスタイルを大幅に変える オススメ度★★★
このアルバムはロックバンドの常識を覆すというぐらい電子音楽(打ち込み)を取り入れて世界を驚かせました。
レディオヘッドが一番世界に衝撃を与えた記憶に残るアルバムでしょう。
椎名林檎も泣いたと言われる名曲もあります。
レディへで一番上がる曲かもしれないIdioteque
レディへの電子音楽を取り入れてかっこいい曲はこの「Idioteque」がオススメですね。
トム・ヨークのダンスも話題になったこの楽曲、3分36秒あたりから曲の途中から見てほしいです。
ロック好きでレディオヘッドを聴いたことない人には是非この曲をLIVE版で聴いてほしいです。
椎名林檎も泣いて感動した曲 Motion Picture Soundrack
私はこの曲大好きなんですよね~
一度しかない曲展開に、儚い終末を感じるエンディングで流れたら間違いなく泣いてしまう曲調です。
個人的はこのアルバムはライブでこそ真価が発揮されるので、是非ライブを見たり聞いたりしてほしいです。
5枚目のアルバム「Amnesiac」このアルバムも4枚目と引き続き実験的なアルバム ジャズを取り入れた曲が名曲 オススメ度★★
5枚目AmnesiacもKID Aから引き続き実験的なアルバムとなっています。
元々KIDAを1枚のアルバムにしようとしたところ構想が膨らんで2枚のアルバムになったとのことです。
「Life in a Glass House」 JAZZとレディオヘッドの融合
この曲はレディヘにしては珍しいホーンが取り入れられた曲です。
実験的かつ攻めた曲ですね。
6枚目のアルバム 名アルバム「Hail To The Thief」ヘイル・トゥ・ザ・シーフは ロックに少し戻った名アルバム オススメ度★★★★
この「Hail To The Theief」のアルバムも名曲が多いんですよね。
何より嬉しかったのが「KID A」と「Amnesiac」の2枚をはさんでの久しぶりの生演奏ですよ。
打ち込みもいいけれど、やっぱり生演奏がいいなと、やっぱり生ドラムだな~と当時ファンは感じたでしょうね。
このアルバムは反戦をテーマに扱ったアルバム名でヘイル・トゥ・ザ・シーフです。
また楽曲がザベンズの時を彷彿とさせるぐらいシンプルな曲も多くてオススメです。
2+2=5 レディへ1 かっこいいロック曲
久々に激しいギターのロックチューンはこちら。
私はレディヘの激しい曲では一番好きかもです。
曲もハッキリしていますし、最後まで熱い展開で盛り上げてくれます。
Sit Down, Stand Up
アルバムの2曲目です。
2+2=5からの次にこの曲はライブの最高の始まり方です。
除々に除々に溜めて溜めて盛り上がってきて、最後に爆発する名曲です。
7枚目のアルバム「In Rainbows」 OK Computerに近いと言われているアルバム オススメ度★★★
このインレインボウズは発売手法が話題になったアルバムです。
当時アルバムを売り切りという形が主流だったなか、なんとインターネットでお客さん自体に価格を決めさせる画期的な販売方法でした。
このアルバムも色々名曲があります。
15Step
こちらもレディヘの中でテンポの早い系の曲で、よく聞きます!
ジョニーの指弾きギターかっこいい…!
Bodysnatchers トム・ヨークのギターボーカルがすごい
この曲のリフを弾きながら歌うトム・ヨークすごいですね~。
このアルバム「In Rainbows」はOK Computerに似てると言われているアルバムですが、たしかにギターロックしてますもんね。
8枚目以降は再び実験的に 暗いとか特に何がいいのかわからない…という意見もわかるかも。
8枚目からは、私もレディオヘッドについていけなくなってしまって…
ちょっと楽曲が実験的すぎてわからなくなったんですよね~
アルバムを通しても私的には曲がたっていなくて…あまり聞いていません。
実験的な姿勢を貫いて創作しているのはすごいです。
レディオヘッドは売れようと思えば売れるような曲もたくさん作れると思います。
でも本人たちは飽き飽きしているのかもしれないです。
※OK COMPUTERまで作るのは、とても難産で苦しかったことをトム・ヨークはインタビューで語っています
トム・ヨークもメンバーも十分売れたので自分たちの好きなことをしているのかな?とも思っています。
そういった攻めの姿勢があるのでミュージシャンズ・ミュージシャンといえるバンドですね。
レディへはアルバム未収録 シングルのB面の名曲もたくさんある
アルバム未収録 名曲 Lift
The BendsとOK Computerの間の曲だったんじゃないですかね~
アルバムに入ってもおかしくないクオリティの名曲です。
トム・ヨークのソロアルバムやアトムス・フォー・ピースの名曲も素晴らしい
ボーカルのトム・ヨークはソロ活動も行っており、その楽曲を使ってレッチリのフリーとナイジェル・ゴッドリッチと一緒にバンド「アトムス・フォー・ピース Atoms for peace」を組んで活動をしていました。
こちらの曲もRadio headと同様素晴らしいので是非聴いてください!
トム・ヨークの新バンド「The smile」
また近年ではザ・スマイルというバンドも結成しているので興味ある人はぜひチェックしてください。
Radiohead(レディオヘッド)まとめ
さて、「レディヘの曲って暗い」「何がいいのかわからない」と思っていた方も、この記事を読んで、レディオヘッドというバンドがどれだけ世界中で評価され、幅広い音楽性を持っているかが伝わったのではないでしょうか。
彼らはアルバムごとに異なる顔を見せてくれます。ポップで聴きやすい作品もあれば、非常に実験的で歌のメロディすら少ない、挑戦的なアルバムもあります。そのどちらも高い完成度でこなしてしまうのが、レディオヘッドというバンドなのです。
「暗い」「苦手」といったイメージだけで敬遠してしまうのは、非常にもったいないことだと思います。なにせ彼らは1990年代〜2000年代を代表するロックバンドなのですから。
もし、レディオヘッドをこれから聴いてみようと思う方がいれば、まずはポップで聴きやすい名盤『The Bends』や『OK Computer』から始めてみるのをおすすめします。
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