“孤高の最強バンド”として今なお語り継がれるBLANKEY JET CITY(ブランキージェットシティ)。
そのギターボーカルを務めていた浅井健一さん(通称ベンジー)が、ブランキー解散後に新たに立ち上げたバンドが、**SHERBETS(シャーベッツ)**です。
SHERBETSのおすすめポイント
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ブランキー解散直後、浅井健一さんが持てる力を注ぎ込んだ高クオリティな楽曲の数々
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インディーズバンドでありながら、隠れた名曲が多く、聴けば聴くほどハマる
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ブランキーでは表現しきれなかった、大人のロックや深い世界観が詰まっている
浅井健一さんは、THE YELLOW MONKEYの吉井和哉さん、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTのチバユウスケさんと並んで、**“三大ロックスター”**とも称される存在。
そんな彼が「SHERBETSは宝物」と語っていることからも、このバンドへの想いの深さがうかがえます。
このSHERBETSは、浅井健一さんが立ち上げた**自主レーベル「SEXY STONES RECORDS(セクシーストーンレコーズ)」**からリリースされており、完全に“ベンジーの表現の場”として機能しています。
メンバー構成
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ギター・ボーカル:浅井健一(ベンジー)
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キーボード・コーラス:福士久美子
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ベース:仲田憲市
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ドラム:外村公敏
一度、アルバム『FREE』のリリース後に**「解散」と発表されたこともありましたが、後に撤回**され、現在も活動を続けています。
SHERBETSの魅力は“静かなる凄み”
シャーベッツはインディーズでのリリースのため、ブランキーのように大きなセールスには結びついていません。
(ブランキーはオリコン最高2位に対し、シャーベッツは最高15位)
しかし、楽曲の完成度は非常に高く、唯一無二の世界観と深みを備えた音楽が詰まっています。
ブランキーの衝動を経たからこそ描ける、大人のロック──それがSHERBETSです。
このページでは、SHERBETSの楽曲をそのまま試聴できるサンプルをご用意しています。
ぜひ一度、聴いてみてください。きっと心に残る音に出会えるはずです。
ベスト版はこちら
現在新曲のBaby carが公開されていますね!浅井健一さんの絵のPVも素敵です。
SHERBETS(シャーベッツ)のおすすめポイント
ここでは、SHERBETSの魅力やおすすめポイントを紹介していきます。
「ブランキージェットシティしか聴いたことがない」という方にこそ、ぜひ一度聴いてほしいバンドです。
ブランキーやAJICOとはまた違った、**浅井健一の音楽世界の“その後”**が詰まっています。
ブランキーやAJICOを経て、メロディがさらに洗練された「浅井健一」の音楽が楽しめる
SHERBETSは、**BLANKEY JET CITYの後期アルバム「SKUNK」「LOVE FLASH FEVER」「ロメオの心臓」「Harlem Jets」**といった作品群の延長線上に位置しています。
この頃の浅井健一さんは、荒削りだった初期のブランキーとはまた違い、キャッチーで完成度の高いメロディを次々と生み出していた時期です。
その流れを受け継いでいるのがSHERBETSであり、実際、名曲と呼べる楽曲が非常に多いのが特徴です。
SHERBETSは、ブランキー時代の激しさよりも、より内省的で詩的なロックを展開しており、浅井健一というアーティストの奥行きをより深く味わえるバンドでもあります。
まだ聴いたことがない方は、ぜひ一度そのサウンドに触れてみてください。
ブランキーやAJICOとは違った、“静かに深く染み渡る”名曲たちに出会えるはずです。
ブランキーでは表現しきれなかった浅井健一の音楽性が、SHERBETSで開花する
BLANKEY JET CITYの解散について、本人たちは「最高のアルバムができたので解散します」と語っていますが、
おそらく実際には、メンバー間での音楽的な方向性の違いが大きな要因だったと考えられます。
その証拠に、解散後の各メンバーの活動を見れば、それぞれがまったく異なる音楽性を目指していたことが明らかです。
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浅井健一さんはSHERBETSで、よりメロディアスで深みのあるロックを追求
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照井利幸さんはCARNEで、ベース・ギター・シンセサイザーを駆使した実験的なサウンドへ
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中村達也さんはLOSALIOSで、生演奏によるインストゥルメンタルバンドに傾倒
このように、それぞれが自分の理想とする音楽に向かって進み始めていたのです。
ブランキー後期の兆しと、SHERBETSへの流れ
2000年代初頭、世界のロックシーンではRadioheadの『KID A』が打ち込みを大胆に取り入れ、革新的なサウンドとして注目を集めていました。
この流れに影響を受けたのか、浅井健一さんや照井利幸さんも徐々に打ち込みやエレクトロ的要素にシフトし始めます。
BLANKEY JET CITYのラストアルバム『ロメオの心臓』では、その兆しが明確に現れており、打ち込みを取り入れた曲が登場するようになりました。
しかし、ブランキーというバンドの枠の中では、表現の幅に限界があったのかもしれません。
SHERBETSでは、そうした**“ブランキーではできなかった表現”を自由に展開しており、浅井健一の真の音楽性がより深く掘り下げられている**と感じます。
SHERBETSを聴くことで、ベンジーというアーティストが持つもうひとつの顔や可能性に触れることができます。
ブランキーしか聴いていない方にも、ぜひ一度味わっていただきたい世界観です。
アルバムAURORAよりボーリングクラッシュ
AJICOでも演奏された「Black jenny」
この曲は頭の中に映画のような情景が浮かぶ詩とサビのメロディが最高ですね。
ちなみにカップリングのBaby Gunも爽快感のあるナンバーです。
シングル「High School」
このシングルが発売されたのは1999年。
演奏的にはニルヴァーナなどのグランジを感じさせます。
ブランキーではこの演奏の感じではいかなかっただろうと推測されます。
アルバムNaturalより「フクロウ」
しっとりとした演奏にファルセットのベンジーのボーカルに合わせた曲です。
アルバムVIETNAM1964から「ラブジョビンダグ」
メインのキーボードのリフがかっこいい一曲です。
変化を続ける大人のオルタナティブロック
SHERBETSは当初はSHERBET名義で「セキララ」を発表した際はパーカッションに「スティーブエトウさん」、ギターに「水政創史郎さん」がいてアコースティックなサウンドでしたが、2作目となる「SIBERIA」以降は現メンバーでの活動となりアルバム毎に作風を変えて魅力ある作品が作られています。
アルバムNaturalより「並木道」
アルバム「Natural」のラストを飾るナンバー。
ハイトーンやシャウトを使わないベンジーのボーカルもいい。
アルバム Vietnam1964より「岬のさる」
静かめの展開からどんどん盛り上がっていく深い曲です。
キャッチーではないですが、世界観の大きさにふっ飛ばされる曲ですね。
最も好きな曲かもしれません。
唯一無二の世界観──浅井健一の“ぶっ飛んだ”歌詞の魅力
浅井健一さんといえば、BLANKEY JET CITY時代から唯一無二の世界観と強烈な歌詞で知られていましたよね。
「悪いひとたち」「PUNKY BAD HIP」「SKUNK」など、
言葉の選び方、テンション、イメージの飛ばし方がとにかく独特で、他に似た人がいない。
その印象的な歌詞に痺れた、という方も多いのではないでしょうか?
そしてもちろん、その“ベンジー節”はSHERBETSでも健在です。
ジョーン・ジェットの犬
SHERBETSの楽曲「ジョーン・ジェットの犬」は、まさにその象徴的な1曲。
なんとこの曲、マンガ『ブラックジャックによろしく』の中でも紹介されていました。
そしてサビの歌詞、
「金星にふっ飛ばされた~~」
という一節は、もはやぶっ飛んでいるを超えてクセになるレベルです。
歌詞だけ読むと意味がわからないのに、聴くとなぜか感情が揺さぶられる。
その不思議な感覚こそ、浅井健一というアーティストの真骨頂なのかもしれません。
38special
SHERBETSの楽曲「38special」は、とにかく歌詞に注目してほしい一曲です。
独特の言い回し、ストレートな怒り、どこか皮肉っぽいユーモア──
ベンジーの言葉選びが鋭く光っていて、何度も読み返したくなるような歌詞です。
そして一部では、かつて**音楽雑誌「ROCKIN’ON」と揉めた際、この曲にのせてディスったのでは?**という噂も……。
真相は定かではありませんが、そんな背景を知ったうえで歌詞を読むと、また違った角度で楽しめるかもしれません。
「Baby Revolution」──ハイハイする赤ちゃんが世界を変える?
「Baby Revolution」は、そのタイトル通り、ハイハイしている赤ちゃんが世界を変えるという、
なんともユニークなコンセプトの曲です。
私自身、この曲を“めちゃくちゃ好き!”というわけではないのですが、
この発想と世界観はやっぱりベンジーならではだな、と感じます。
シュールなのにどこか説得力があって、聴いているとだんだん引き込まれていく。
そんな**“思わず考えさせられる一曲”**として、印象に残る楽曲です。
シャーベッツの名アルバム紹介
どのアルバムにしようか迷いますが、
Blankey jet city解散で作曲が無双状態のベンジー初期Sherbetsの傑作「SIBERIA」
グランジの影響を感じさせる「HIGH SCHOOL」やブラックジャックによろしくでもぶっ飛んだ歌詞として紹介された「ジョーン・ジェットの犬」などが収録された名盤
寒い国で作られたような温度感のアルバム「AURORA」
このアルバムは立っている曲が多いですね。
一番とっつきやすいのが11曲めのボーリングクラッシュで、とてもポップな曲すね。
1の愛はいらないは歌詞が素晴らしくて、Merry LouはMUSE好きの人とかは好きだと思います。
トカゲの赤ちゃんは、聴き込めば聴き込むほどハマるスルメのような深い曲です。
ジメジメとした湿度の高さを感じるようなアルバム「Vietnam1964」
このアルバムは先程のオーロラの雰囲気とは逆にジメジメするほどの暑さや湿度を感じるアルバムです。
1曲目の「家畜の朝」はジメジメ感がすごく伝わってくるグランジテイストの強い曲。
2曲目の「岬のさる」8曲目の「夢見るストロベリー」はSHERBETSでしか表現のできない奥深い世界。 短い映画を観たぐらいのボリュームを感じますね。
5曲目の「友達」はポップなメロディです。歌詞に出てくる純粋な友達というのは「中村達也」さんのことだと思います。
7曲目のラブジョビンダグは福士さんのキーボードがかっこいい!
深淵な奥深い世界の完成形「Natural」
ジャケットがデザインの本に引用されていましたが、フクロウの目がドアップで印象的ですね。
このアルバムこそアルバム単位で聴いてほしいアルバムです。
1曲目のフクロウはファルセットを使ったキレイで美しい曲。
5曲目は明るいベンジーの歌詞が満載という感じです。
6曲目は弾き語りのベンジーが好きなら聴いてほしい「わらのバッグ」。
11曲目はラストを飾るにふさわしい名曲、美しいアルペジオのギターから、SHERBETSのリズム隊が素晴らしいと感じ、キーボードが世界観を引き出します。
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無難にベスト版「8色目の虹」
SHERBETS(シャーベッツ)のまとめ
さて、ここまでSHERBETSというバンドについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
正直なところ、**「こんなに良いバンドなのに、なんでもっと知られていないんだろう?」**と感じたことがきっかけで、このページを作りました。
BLANKEY JET CITYが好きだった方、
浅井健一さんの他の活動にも興味がある方、
「昔聴いてたけど、今どんな音楽をやってるの?」と気になっている方——
そんな皆さんに、SHERBETSという素晴らしいバンドをぜひ知ってほしい、聴いてほしいと思っています。
まずは気軽に聴けるベスト盤からでもOK。
SHERBETSの魅力が少しでも伝われば、とても嬉しいです。
ベスト版はこちら
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